
超巨大地震は傾き緩やかなプレート境界で起きる? 東大が解明
出典: 毎日新聞 (原典を開く)
ニュース概要(出典記事の要点)
マグニチュード(M)9クラスの超巨大地震の多くに、一つの共通点がある。震源となったプレート境界の傾斜角が緩やかなのだ。傾斜が緩やかな場所は、大きな滑りを引き起こす力がかかりにくいはずなのに、なぜ?
※ 上記は出典記事の要約です。本サイト独自の分析・背景解説は下記をご覧ください。
解説
「プレート境界の傾斜角が緩やかだと、超巨大地震が起きにくいのでは?」
そう思いたくなるのも無理はありません。そもそも、地震が起きるのは、地球の表面を覆う「プレート」という岩盤がぶつかり合って、そのストレスが限界を超えたときに、急激にずれるからです。このズレが大きくなると、大きな揺れ、つまり巨大地震につながります。プレート同士がぎゅっと押し合って、急な角度でぶつかっている場所なら、力がたまりやすく、大きな滑りが起きやすいイメージがありますよね。
ところが、東京大学の研究チームが、マグニチュード(M)9クラスの超巨大地震の多くに、ある共通点があることを突き止めました。それは、震源となったプレートの境界の傾斜角が、意外にも「緩やか」であるということです。
これは、一体どういうことなのでしょうか?
プレートの境界には、大きく分けて二つのタイプがあります。一つは、地球の表面を覆うプレートが、もう一枚の下に沈み込んでいく「沈み込み帯」。もう一つは、プレート同士が横にずれていく「トランスフォーム断層」などです。今回の研究で注目されたのは、主に沈み込み帯で起きる巨大地震です。
プレートが沈み込むとき、その傾斜が急であれば、重力によってプレートはスムーズに沈みやすく、大きな力が溜まりにくいと考えられます。しかし、傾斜が緩やかな場所では、プレートが沈み込むのに抵抗が大きくなります。その抵抗が大きいにも関わらず、プレートはゆっくりと沈み続けようとするため、プレートの境界には、とてつもない力が蓄積されていくのです。
例えるなら、坂道が急だとボールは転がりやすいですが、坂道が緩やかだと、ボールを押し出すのに強い力が必要になります。それと同じように、プレート境界の傾斜が緩やかだと、プレートを沈み込ませるためには、より大きな力が働き続ける必要があるのです。そして、その蓄積された力が限界を超えたときに、一気に解放されることで、超巨大地震が発生すると考えられています。
この発見は、これまで私たちが漠然と考えていた巨大地震のメカニズムに、新たな視点をもたらすものです。もちろん、プレート境界の傾斜角だけで巨大地震の全てが説明できるわけではありませんが、地震の予測や防災対策を考える上で、非常に重要な手がかりとなるでしょう。私たちが住む日本の地下でも、プレートの沈み込みが活発に行われています。この研究結果は、私たちの安全を守るための、大切な一歩になるかもしれません。
今後の予測
今回の研究で、プレート境界の傾斜角が緩やかな場所で超巨大地震が起きやすいというメカニズムの一端が明らかになりました。しかし、これはあくまで一つの要因であり、巨大地震の発生には、プレートの厚さや材質、地下の水の量など、様々な要素が複雑に絡み合っていると考えられます。
今後、この研究がさらに進展することで、これまで見過ごされてきた危険な場所が特定されたり、地震発生の予兆となる微細な変化を捉えるための新たな観測技術が開発されたりする可能性があります。例えば、AI(人工知能)などを活用して、過去の地震データや地殻変動のデータを詳細に分析し、傾斜角だけでなく、他の様々な要因との組み合わせから、より精度の高い地震発生確率の予測モデルが構築されるかもしれません。
一方で、プレート境界の傾斜角が緩やかな場所であっても、それがすぐに巨大地震の発生に直結するわけではありません。プレートの沈み込みは非常に長い時間をかけて進行するため、数百年、数千年といったスパンで考える必要があります。そのため、この研究結果をもって、直ちに特定の地域で巨大地震が切迫していると断定することはできません。むしろ、長期的な視点に立ち、継続的な観測と研究を進めることが重要となります。これらの研究成果が、将来の防災・減災対策にどのように活かされていくのか、注目していく必要があります。
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参考引用
“超巨大地震は傾き緩やかなプレート境界で起きる?
― 毎日新聞
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