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科学2026/6/23 21:00:00
第154回京都大学丸の内セミナー「文学無用論 -フィクションは何の役に立つのか?」

第154回京都大学丸の内セミナー「文学無用論 -フィクションは何の役に立つのか?」

出典: 京都大学 (原典を開く)

ニュース概要

本学には現在18の附置研究所と研究センターがあります。2015年4月に、これらの相互連携の強化と、学部・研究科も含む全学的な研究活動の促進を通じた異分野融合による新学術分野の創成をめざして「京都大学研究連携基盤」を設置しました。

解説

京都大学で「文学無用論 -フィクションは何の役に立つのか?」という、ちょっとドキッとするようなタイトルのセミナーが開かれました。文学やフィクションって、私たちの生活に直接役立つものじゃないかもしれない、という声を聞くこともありますよね。でも、本当にそうなのでしょうか?

このセミナーは、京都大学が学内の様々な研究機関の連携を深めるために設けている「研究連携基盤」が主催したものです。大学には、医学、工学、理学といった分野だけでなく、文学や歴史、哲学といった人文科学系の研究もたくさんあります。これらの異なる分野が、どうやったらもっとつながり、新しい発見を生み出せるのか? そんな課題意識から、今回のテーマが選ばれたようです。

「研究連携基盤」は、2015年4月に作られました。これは、大学にある18もの研究所やセンターが、それぞれバラバラに研究するのではなく、もっと協力し合って、学部や研究科も巻き込んだ大きな動きを作ろう、という試みです。分野を超えた「融合」から、これまでになかった新しい学問分野が生まれることを期待しているんですね。

文学やフィクションの世界に身を置くと、私たちは様々な登場人物の気持ちになったり、現実とは違う世界を体験したりします。それは、直接的な「役に立つ」こととは違うかもしれません。でも、そうした体験を通して、私たちは他者の気持ちを理解する力(共感力)を養ったり、物事を多角的に見る視点を手に入れたりします。また、物語は、私たちが生きる社会や人間関係について考えるためのヒントを与えてくれることもあります。

今回のセミナーでは、こうした文学やフィクションが持つ、目には見えにくいけれど、私たちの人間性や社会を豊かにする「役立ち方」について、学術的な視点から掘り下げられたのではないでしょうか。分野を超えた研究の連携という視点から見ると、一見「役に立たない」と思われがちな文学やフィクションが、実は人間を理解し、社会をより良くしていくための、隠れた力を持っていることが見えてくるかもしれません。

関連データ

附置研究所・研究センター数
18
出典:京都大学
研究連携基盤設置
2015年4月
出典:京都大学

今後の予測

今回のセミナーをきっかけに、文学やフィクションといった人文科学分野の研究と、他の自然科学や社会科学分野との連携がさらに進む可能性があります。例えば、AI(人工知能)が文章を生成する技術が進化する中で、「人間らしい物語」とは何か、創作の根源にあるものは何か、といった問いが、文学研究と情報科学の接点から生まれるかもしれません。また、社会が複雑化し、多様な価値観がぶつかり合う中で、物語が持つ「共感」や「想像力」を育む力に、教育や心理学、さらには紛争解決といった分野から注目が集まることも考えられます。

一方で、大学における研究資金の配分や、社会からの期待が、より直接的な成果を生みやすい分野に偏る傾向が続く可能性も否定できません。その中で、文学やフィクションの研究が、その「直接的な役立ち方」をどのように示していくのか、あるいは「間接的な、しかし本質的な役立ち方」をいかに社会に理解してもらうかが、今後の課題となるでしょう。文学研究者自身が、異分野との対話を通じて、自らの研究の意義を社会に発信していく努力が求められるかもしれません。

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参考引用

文学無用論 -フィクションは何の役に立つのか?

京都大学
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