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この国はどこへ行こうとしているのか:ミスター岩波が憂う台湾有事 対話が途絶えたとき戦争は始まる
出典: 毎日新聞 (原典を開く)
ニュース概要(出典記事の要点)
今日も誰かが誰かをののしっている。政治家や言論人と呼ばれる人々までが憎悪をあおる。功罪半ばのSNS社会で、分断の溝は深まるばかりである。 「対話がどんどん失われていますね。一方通行で相手を罵倒するばかりで……」
※ 上記は出典記事の要約です。本サイト独自の分析・背景解説は下記をご覧ください。
解説
SNSの登場で、私たちの日常は劇的に変わった。好きなことを自由に発信でき、同じ考えの人とつながれる。その一方で、何か起こるたびに批判が殺到し、政治家も言論家も時に過激な発言で相手をたたく――こんな光景が当たり前になっていないだろうか。
今、この国で静かに進行しているのが「対話の喪失」だ。意見が違う相手と話し合う代わりに、一方的にバッシングするだけ。相手の言葉に耳を傾けるのではなく、自分の主張をぶつけるだけになっている。
歴史を見れば、この現象は極めて危険だ。戦争は突然始まるのではなく、対話が途絶えたときに始まる。外交官や専門家が話し合う道が閉ざされ、相互理解がなくなったとき、紛争はエスカレートする。台湾を巡る米国と中国の関係でも、相互不信が深まり、対話のパイプが細くなるほど、衝突のリスクは高まる。
問題なのは、今のSNS社会では「対話」がそもそも成立しにくいということだ。限られた文字数で複雑な意見を伝えるのは困難だし、反論がくれば感情的に返してしまう。アルゴリズムも似た意見の人ばかりをお薦めするため、異なる視点に触れる機会が減っている。結果、自分たちの側は善、反対側は悪という単純化した世界観が形成されやすい。
政治の言葉遣いも変わった。かつてはどれだけ意見が異なっても、相手を「敵」扱いしない配慮があった。今は野党や野党支持層を露骨に批判する政治家も増えた。国会の議論も、質問者が相手を追及するスタイルばかりになり、一緒に問題を考える感覚が薄れている。
こうした分断が深まると、何が起こるか。有権者の間にも相互不信が広がり、民主主義が機能しなくなる可能性がある。国際紛争でも、内部分断が強い国は判断を誤りやすい。国民世論が二分すれば、強硬な選択肢が支持される傾向が高まるからだ。
では、どうするか。個人レベルでは、意見が異なる人の話を最後まで聞く習慣を取り戻すことが大切だ。SNSの文字数制限を補うため、長めのテキストや音声での対話を意識的に増やす。政治や言論の場では、相手を叩くことより、具体的な政策について建設的に論じる文化を復活させるべきだ。
国際関係でも同じだ。対立する国とも、外交チャネルを絶やさない。相手を完全に敵視するのではなく、利害が一致する分野では協力する柔軟性が必要だ。台湾有事を避けるには、米国と中国、そして日本が対話を続ける環境を整えることが不可欠になる。
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参考引用
“対話がどんどん失われていますね。一方通行で相手を罵倒するばかりで
― 毎日新聞
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