
建設費高騰は「資材高」のせいだけではない…再開発も公共工事も止まる"施工能力不足"の深刻実態 | 政治・経済・投資 | 東洋経済オンライン
ニュース概要
都市再開発や公共工事の入札不調が続く背景には、建設業の深刻な施工能力低下があります。人手不足や見積もり方法の転換が市場にどのような影響を及ぼしているのか。日本経済の成長の鍵を握る建設業界の課題と解決…
解説
最近、街で新しいビルを建てたり、道路を直したりする工事が、なんだか以前より遅れているな、と感じたことはありませんか? 実は、これには「資材の値段が上がったから」という理由だけでなく、もっと深い問題が隠されています。それが、建設業界の「施工能力」、つまり「実際に工事をする力」が落ちている、ということです。
「施工能力が落ちている」と言うと、なんだか大げさに聞こえるかもしれませんが、これは私たちの生活や日本経済にとって、とっても大切な問題なんです。なぜなら、新しい建物が建たなかったり、インフラの整備が進まなかったりすると、街の発展が止まってしまうからです。
この施工能力の低下には、大きく分けて二つの理由が考えられます。一つは、建設現場で働く人が減っていること。昔はたくさんの人が建設の仕事をしていましたが、今は高齢化が進んで引退する人が増えたり、若い人がこの仕事を選ばなくなったりしています。人が足りないと、当然、できる工事の量も減ってしまいますよね。
もう一つは、工事の見積もりの仕方が変わってきたことです。以前は、工事にかかる費用を「だいたいこれくらいだろう」と経験や勘で決める部分もありました。でも、それではうまくいかないことが増えてきたため、最近では、もっと細かく、正確に見積もる方法に変わってきています。これは、工事の質を保つためには良いことなのですが、一方で、これまでのように「とにかく安く、早く」というわけにはいかなくなり、工事のペースが落ちてしまうこともあるのです。
こうした状況は、都市の再開発プロジェクトや、私たちの生活を支える公共工事(道路や橋、学校などの建設・修繕)に大きな影響を与えています。入札(工事の依頼者を決めるための競争)をしても、誰も手を挙げなかったり、提示された金額では工事が成り立たない、といったことが起こっているのです。これは、単に「資材が高い」という一時的な問題ではなく、建設業界が抱える構造的な課題と言えます。
日本経済がこれからも成長していくためには、この建設業界の課題を解決することが不可欠です。新しい技術の導入や、働きがいのある環境づくりなどを通じて、建設業界が再び「施工能力」を高めていくことが期待されています。
今後の予測
建設業界の施工能力不足は、今後も続くと考えられます。特に、熟練した技術を持つ職人の高齢化と、若手人材の不足は、すぐには解消されないでしょう。このため、都市再開発や公共工事の遅延は避けられないかもしれません。
しかし、一方で、建設業界も変化に対応しようとしています。例えば、AIやロボットを使った自動化技術の導入が進むことで、人手不足を補い、工事の効率を上げる動きが出てくる可能性があります。また、働き方改革が進み、建設現場の労働環境が改善されれば、若い世代が魅力を感じる業界になるかもしれません。
ただし、これらの技術導入や環境改善には時間とコストがかかります。そのため、短期的には、工事の遅延やコスト増加が続くシナリオも考えられます。長期的には、技術革新と人材育成が進むことで、建設業界が再び活性化する可能性もありますが、その道のりは平坦ではないでしょう。国や企業が、どのような支援策を打ち出せるかが鍵となりそうです。
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“建設費高騰は「資材高」のせいだけではない
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