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business2026/6/12 6:00:00
原油高だけじゃない!中東情勢が悪化するほど〈有事の円売り〉が強まる要因が新たに浮上…赤字急拡大中の経常収支項目 | 政治・経済・投資 | 東洋経済オンライン

原油高だけじゃない!中東情勢が悪化するほど〈有事の円売り〉が強まる要因が新たに浮上…赤字急拡大中の経常収支項目 | 政治・経済・投資 | 東洋経済オンライン

出典: 東洋経済オンライン (原典を開く)

ニュース概要(出典記事の要点)

2022年以降、日本の経常収支に新たな赤字拡大の要因が登場しました。再保険取引などによる第2次所得収支赤字の急増です。グローバル化や地政学リスク、自然災害の激甚化が絡み、保険料流出が円安を促進する構…

※ 上記は出典記事の要約です。本サイト独自の分析・背景解説は下記をご覧ください。

解説

最近のニュースで「円安」という言葉をよく耳にするかと思いますが、その原因は原油高や日米の金利差だけではない、新しい要因が浮上しているのをご存じでしょうか。それが「再保険取引」に絡むお金の流れ、具体的には「第2次所得収支」の赤字拡大です。

「再保険」と聞くと、少し難しく感じるかもしれませんね。これは、保険会社が引き受けた大きなリスクを、さらに別の保険会社(多くは海外の巨大な再保険会社)に分散してもらう仕組みのことです。例えば、日本で大きな地震が起きたとき、国内の保険会社だけではとても対応しきれないほどの保険金を支払うことになります。そこで、あらかじめ海外の再保険会社にリスクの一部を肩代わりしてもらう契約を結んでおくのです。そうすることで、国内の保険会社は破綻せずに済むし、私たち契約者も安心して保険金を受け取れるわけですね。

ところが、この再保険の仕組みが、今の円安をさらに加速させる一因になっているというのです。なぜかというと、日本が抱えるリスクが大きくなればなるほど、海外の再保険会社に支払う保険料(再保険料)が増えていきます。日本は、地震や台風、津波といった自然災害が多い国です。近年は地球温暖化の影響もあり、これらの災害がより大規模化・頻繁化していると感じる方も多いのではないでしょうか。さらに、世界全体で地政学的なリスク、つまり国と国の関係が悪化するような動きも増えています。

こうした状況を受けて、海外の再保険会社は、日本から引き受けるリスクに対してより高い保険料を求めるようになります。結果として、日本から海外への再保険料の支払いがどんどん増えていくわけです。この支払いは、多くの場合、ドル建てで行われるため、日本円を売ってドルを買う動きが増え、それが円安につながってしまうのです。

これまでは、日本は海外への投資などから得られる利子や配当金(第1次所得収支)が大きく、全体として「経常収支」は黒字を保ってきました。しかし、この再保険料の流出が増えることで、日本全体のお金の出入りを示す経常収支の黒字幅が縮小し、場合によっては赤字に転落するリスクも出てきています。そうなると、日本の経済の体力そのものが弱まっていると見なされ、さらに円が売られやすくなるという悪循環に陥る可能性も指摘されているのです。

私たちの生活に直接関わる保険の仕組みが、巡り巡って円安に影響を与えている。グローバル化が進んだ現代において、経済のつながりは本当に複雑になっていると改めて感じさせられますね。

関連データ

2022年の第2次所得収支の赤字額
過去最大の約2.5兆円
出典:日本銀行 国際収支統計
経常収支の推移(2023年)
貿易収支の改善で黒字幅は拡大傾向にあるものの、第2次所得収支の赤字は継続
出典:財務省 貿易統計、日本銀行 国際収支統計
日本の自然災害による経済損失(2022年)
約2.1兆円(世界3位)
出典:スイス再保険会社 Swiss Re「sigma」
世界の再保険市場規模(2022年)
約3,000億ドル
出典:A.M. Best

今後の予測

この再保険取引に起因する円安圧力は、今後も日本の経済に影響を与え続ける可能性があります。いくつかのシナリオが考えられます。

まず、最も懸念されるのは「悪循環の継続」です。自然災害の激甚化や地政学リスクの増大が止まらない限り、海外への再保険料支払いは増加し続け、日本の経常収支を圧迫します。これにより、市場における円の信頼度が低下し、さらなる円安を招く可能性があります。これは輸入物価の上昇を加速させ、私たちの生活を圧迫することになるでしょう。

次に考えられるのは「政策的対応による緩和」です。政府や日本銀行が、この再保険問題に特化した対策を講じる可能性もゼロではありません。例えば、国内の保険会社のリスク対応能力を高めるための制度設計や、海外の再保険会社との交渉力の強化などが考えられます。しかし、これは短期的な効果は期待しにくく、長期的な視点での取り組みが必要となります。

最後に「経済構造の変化による影響の相殺」も考えられます。例えば、日本が再生可能エネルギーへの転換を加速させ、エネルギー輸入への依存度を下げることができれば、原油高による貿易赤字が縮小し、再保険による赤字を相殺する効果が期待できます。また、新たな高付加価値産業が育ち、海外からの所得が増えれば、経常収支全体の改善につながる可能性もあります。しかし、これも時間を要する変化であり、即効性のある解決策とはならないでしょう。

ニュースタイムライン

  1. 2026年6月3日

    中東情勢受けた補正予算案 3兆1135億円 閣議決定

    NHK ビジネス

  2. 2026年6月4日

    小売各社が省エネ対応加速 中東情勢によるコスト高受け

    NHK ビジネス

  3. 2026年6月5日

    伊藤ハム パッケージの色の数減らす 物価高や中東情勢影響

    NHK ビジネス

  4. 2026年6月5日

    ナフサ騒動、冷静な対応を 石化協専務理事「中東情勢長引けど例年並み出荷」  (ホルムズ危機の教訓)

    日経ビジネス

  5. 2026年6月8日

    中小企業の賃上げ率4.29% 中東情勢で「未定」の企業も

    NHK ビジネス

  6. 2026年6月9日

    中東情勢 エアコン取り付けや酪農用資材に影響 調達に懸念の声

    NHK ビジネス

  7. 2026年6月10日

    関税・中東情勢で逆境のコマツ、「3年でフリーキャッシュフロー1兆円」の真意 新CFOが成長投資と株主還元を語る | ビジネス | 東洋経済オンライン

    東洋経済オンライン

  8. 2026年6月17日

    【四季報「夏号」】キオクシアに“衝撃”の見出し/最新号でレアな「絶好調」企業は8社/中東情勢で再注目のリユース業界/株主還元も注目!全上場会社の「DOE」がわかる/四季報創刊90周年 | ビジネス | 東洋経済オンライン

    東洋経済オンライン

  9. 2026年6月17日

    食品メーカー 値上げ相次ぐ 中東情勢影響で包装資材の価格上昇

    NHK ビジネス

  10. 2026年7月2日

    中東情勢受け 「ナフサ」由来の石油製品など備蓄検討 業界団体

    NHK ビジネス

参考引用

日本の経常収支に新たな赤字拡大の要因が登場しました。

東洋経済オンライン

再保険取引などによる第2次所得収支赤字の急増です。

東洋経済オンライン
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