
英下院補選、スターマー首相の後継狙う労働党バーナム氏が勝利 党首選実施で英政局緊迫へ
出典: 産経新聞 (原典を開く)
ニュース概要
【ロンドン=黒瀬悦成】英中部マンチェスター郊外のメーカーフィールド選挙区で18日、下院補選の投開票が行われ、辞任圧力にさらされるスターマー首相の後継を狙う与党・労働党のマンチェスター市長、アンディ・バーナム氏(56)が勝利した。選挙管理委員会が19日発表した。バーナム氏は選挙前、当選した場合は党首選の実施を求め、スターマー氏に挑むと表明しており、英政局は一気に緊迫しそうだ。
解説
イギリスの政治が今、まさに大きな転換期を迎えているかもしれません。先日行われた下院の補欠選挙で、注目すべき結果が出ました。マンチェスター近郊のメーカーフィールド選挙区で、労働党のアンディ・バーナム氏が見事に勝利を収めたのです。
この選挙結果がなぜそれほど重要かというと、バーナム氏がただの当選者ではないからです。彼は、現在、辞任のプレッシャーにさらされている労働党の党首、つまりイギリスの首相であるスターマー氏の後継を狙っていると公言していました。選挙前から「もし当選したら、党首の座を巡る争い(党首選)を行うべきだ」と明確に意思表示していたのですから、今回の勝利は、単なる議席の獲得以上の意味を持っています。
イギリスの政治は、日本とは少し仕組みが違います。総選挙で一番多くの議席を獲得した党の党首が首相になるのが一般的です。そして、党首は党員や議員の投票によって選ばれます。もし今の首相が国民や党からの信頼を失い始めると、党内から「党首を変えよう」という動きが出てくることがあります。今回のバーナム氏の勝利は、まさにその「党首交代」への動きを加速させる可能性を秘めているわけです。
バーナム氏は、マンチェスター市長という経験も持っており、地元での人気も高い人物です。彼のような有力者が党首選に名乗りを上げれば、スターマー首相にとっては大きな脅威となります。首相の座をかけた争いは、単に個人の問題に留まらず、労働党全体の方向性や、ひいてはイギリスの国の進む道にも影響を与えることになります。
イギリスは、EUからの離脱(ブレグジット)以降、経済的にも社会情勢的にも不安定な時期が続いています。物価の高騰や医療制度の問題など、国民の不満は少なくありません。そうした中で、国民は新しいリーダーシップを求めているのかもしれません。今回の補選の結果は、そうした国民の「変化を求める声」が形になったものとも言えるでしょう。
今後、労働党内で党首選が実施されるのか、そして誰がその座を射止めるのか。その動きは、単に政治家たちの権力争いにとどまらず、イギリスに住む私たち一人ひとりの生活にも大きく関わってくることになります。例えば、新しい首相が誕生すれば、経済政策や外交政策が大きく変わる可能性もあります。この先、イギリス政治がどのように展開していくのか、目が離せません。
関連データ
今後の予測
今後のイギリス政局は、いくつかのシナリオが考えられます。一つ目は、バーナム氏の勝利を受けて、労働党内でスターマー首相への党首選実施要求がさらに高まり、実際に党首選が行われるケースです。この場合、党首選の結果次第で労働党のリーダーが交代し、それに伴い党の政策や国民へのアピール方法が大きく変わる可能性があります。
二つ目のシナリオとして、スターマー首相が、党内からの圧力をかわし、党首選の実施を回避するか、あるいは実施されたとしても、自身のリーダーシップを再確認して勝利するケースも考えられます。この場合、一時的な政局の緊張は緩和されるかもしれませんが、バーナム氏のような挑戦者の存在は、首相に対する継続的なプレッシャーとなるでしょう。
三つ目は、今回の補選の結果が、保守党など他の政党にも影響を与え、総選挙の前倒しや、他の党からの有力なリーダーの台頭を促す可能性です。イギリスの国民が現在の政治状況に不満を抱いていることは明らかであり、今回の補選の結果は、その不満が具体的な行動として現れ始めた兆候とも言えます。いずれにせよ、イギリスの政治は今後数ヶ月間、非常に流動的な状況が続くことが予想されます。
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