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business2026/6/22 5:00:00
[新連載]ネイチャーポジティブ経営が開く1600兆円新市場 自然を企業価値に (ネイチャーポジティブが変える経営)

[新連載]ネイチャーポジティブ経営が開く1600兆円新市場 自然を企業価値に (ネイチャーポジティブが変える経営)

出典: 日経ビジネス (原典を開く)

ニュース概要(出典記事の要点)

「ネイチャーポジティブ」が価値向上の重要課題となり、政府も企業の取り組みを支援する。自然に関する情報を開示する企業が増える一方、新たなリスクへの対策が欠かせない。

※ 上記は出典記事の要約です。本サイト独自の分析・背景解説は下記をご覧ください。

解説

最近、「ネイチャーポジティブ」という言葉を耳にする機会が増えてきました。これは、地球温暖化対策の「カーボンニュートラル」がCO2排出量を実質ゼロにするのと同じように、自然環境を破壊するだけでなく、むしろ回復させて、より良い状態にしていこうという考え方です。

これまで企業活動は、どうしても自然に負荷をかけてしまう側面がありました。工場を建てたり、製品を作るために資源を使ったりすれば、少なからず環境に影響を与えます。しかし、これからは「自然を壊すのは当たり前」という考え方から、「自然を良くしていくことで、企業価値も高まる」という、まったく新しい視点での経営が求められています。

なぜ今、ネイチャーポジティブが注目されているのでしょうか?

一つには、気候変動や生物多様性の喪失といった環境問題が、私たちの生活や経済に直接的な影響を与え始めているからです。例えば、異常気象による災害でサプライチェーンが寸断されたり、特定の資源が枯渇したりすれば、企業の経営は立ち行かなくなります。そうしたリスクを減らすためにも、自然環境を健全に保つことが不可欠なのです。

また、投資家の目線も変わってきています。環境問題への取り組みが不十分な企業は、将来的なリスクが高いと見なされ、投資対象から外されることもあります。逆に、ネイチャーポジティブな取り組みを進める企業は、持続可能な成長が見込めるとして、高い評価を受けるようになります。これは、企業が資金を集める上で非常に重要なポイントです。

政府もこの動きを後押ししています。企業が自然に関する情報を積極的に公開するよう促したり、環境に配慮した技術開発や事業展開を支援したりする動きが活発になっています。これは、国全体として持続可能な社会を目指す上で、企業の力を借りることが不可欠だと考えているからです。

ただし、ネイチャーポジティブな経営には、新たな課題も伴います。例えば、自社の事業が自然に与える影響を正確に測ったり、その情報を透明性高く開示したりするのは簡単なことではありません。また、グリーンウォッシュ(見せかけだけの環境配慮)と批判されないよう、具体的な成果を出す努力も求められます。これからは、企業が自然とどう向き合い、どう共存していくかが、その企業の未来を左右する大きなカギとなるでしょう。

関連データ

ネイチャーポジティブ関連市場規模(予測)
2030年までに1600兆円規模
出典:世界経済フォーラム
自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)の提言
2023年9月に最終提言を発表、企業に自然関連のリスクと機会の開示を促す
出典:TNFD
日本政府の目標
2030年までに生物多様性の損失を止め、回復軌道に乗せる「30by30目標」を掲げる
出典:環境省
企業のリスク認識
世界経済フォーラムの「グローバルリスク報告書2024」で、今後10年間の深刻なリスク上位に「生物多様性の損失と生態系の崩壊」が挙がる
出典:世界経済フォーラム

今後の予測

ネイチャーポジティブ経営は、今後もその重要性を増していくでしょう。一つのシナリオとしては、多くの企業がこれを単なるコストではなく、新たな成長機会と捉え、積極的に投資する動きが加速する可能性があります。例えば、自然再生技術や環境負荷の低い素材開発などが活発化し、新たな産業が生まれるかもしれません。消費者の意識も高まり、環境に配慮した製品やサービスを選ぶ傾向が強まることで、企業の取り組みが市場で評価される好循環が生まれるでしょう。

別のシナリオとしては、取り組みの「質」が厳しく問われる時代になるかもしれません。表面的なアピールだけでなく、具体的な成果が伴わない企業は、かえって信頼を失うリスクが高まります。情報開示の基準が厳格化され、第三者による評価が一般的になることで、本当にネイチャーポジティブな企業だけが生き残れるようになるでしょう。中小企業にとっては、初期投資や専門知識の確保が課題となる可能性もありますが、政府や金融機関による支援策が充実すれば、そのハードルは下がっていくと考えられます。

いずれにしても、自然環境と経済活動のバランスをいかに取るかが、これからの企業経営の最重要課題の一つとなることは間違いありません。

ニュースタイムライン

  1. 2026年6月2日

    東電 新会長内定の横尾敬介氏 初会見“企業価値向上させる”

    NHK ビジネス

  2. 2026年6月10日

    企業価値向上の王道は成長投資 新CGコードが導く攻めのガバナンス (会計・財務のサイエンス)

    日経ビジネス

  3. 2026年6月18日

    CLO義務化で物流は経営アジェンダへ 企業価値創出の最前線 (テーマ別まとめ記事)

    日経ビジネス

  4. 2026年6月21日

    ネイチャーポジティブ経営/紀伊国屋、逆境下の最高益/塗装業の倒産急増(2026年6月22日版) (日経ビジネスAUDIOモーニング)

    日経ビジネス

  5. 2026年6月21日

    排出量取引制度「GX-ETS」が本格始動 企業価値を左右する脱炭素の取り組みとは (テーマ別まとめ記事)

    日経ビジネス

  6. 2026年6月22日

    キリンや王子、「自然の状態」を指標で見える化 TNFD開示に備え (ネイチャーポジティブが変える経営)

    日経ビジネス

  7. 2026年6月24日

    ソニーG、熊本で「地下水を増やす」 TSMCも追随する半導体と水戦略 (ネイチャーポジティブが変える経営)

    日経ビジネス

  8. 2026年6月28日

    ネイチャーポジティブ・イニシアティブ代表が語る経営の本質 「自然は収益に直結する」 (ネイチャーポジティブが変える経営)

    日経ビジネス

参考引用

ネイチャーポジティブが価値向上の重要課題に

日経ビジネス

政府も企業の取り組みを支援する

日経ビジネス
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